餅田理数塾について

合格実績

大学

自治医大医学部、慶應大薬科学科、北里大獣医学科、東京理科大先進工学部、防衛大理工学専攻、電気通信大 他

高校

県立浦和高校、川越東高校理数、川越女子高校、大宮開成高校、東京都立産業技術高専 他

科目

大学受験

  • 物理、数学、化学

高校受験

  • 数学、理科

概ね高3、中3のみ通う生徒が多いです。

講師

  • 餅田 渓(東京工業大学大学院修士課程修了)

所在地

  • 埼玉県さいたま市
    事務所のみ

餅田理数塾が合う方

  • 手間と時間をかけて丁寧に教えてほしい。
  • どのように勉強すればいいか分からない。
  • ミスを減らしたい。
  • 他塾で成績が伸びない。
  • 設計者、医師など数学、理科を活かした仕事をしたい。
  • 数学、理科を苦手にしたくない。

受け入れ基準

  • 参考書などの文章を1文字も飛ばさずに読めること。

指導内容

細部に技術があります。

数多くの塾があります。塾以外にも参考書やインターネット上には解き方が溢れていますがそれを勉強しても必ずしも解けるようにならないのはどうしてか。それは解き方以前の、しかも見えにくい細部に技術があるからです。

後に書きますが次のようなことが挙げられます。

  1. 上手く解こうとするから
  2. 計算を嫌がるから
  3. 文字や図形、文章などが見えているようで見えていないから
  4. 本質が見えにくいから
  5. 模範解答を見るのが早いから
  6. 演習問題が易しすぎるか難しすぎるから
  7. スマホでは画面が小さすぎるから

想像しやすそうな例えとして、(一般人のレベルで)金融の勉強をすることと株式を実際に売買して利益を出すことは異なります。どういう銘柄がいいとか、決算書の読み方とか、何がどうなったら取引するとか書いてある本はありますが、その通りに売買しても恐らく損をします。それはどうしてか。

  1. 一般人が少し金融の勉強をしたところで株価は教科書通りに動かないから。
  2. 本には細部まで書けないから。多くの人が細部のコツを知ると儲からなくなるから。
  3. 株価は下がると見せかけて上がる、上がったと思うと下がる、また上がるだろうと思いきや今度は本当に下がる、こんな動きを繰り返すからです。振り回され、恐怖に駆られて損な値段で売らされます。
  4. 実際のところ利益と損失がそれぞれどのくらい出るのか知らないから。
  5. 良い売買ルールであっても連敗すると嫌になって売買をやめてしまうから。
  6. 売買ルールの善し悪しはすぐには分からないから。

金融の知識以前のことに成績が大きく左右されることが何となくお分かりいただけると思います。

しかし一般人でも比較的安全、容易に利益を出せる方法はあります(配当ではなく値上がり益)。凄腕トレーダーには及びませんが。(入試においてはそれでいいのです。)金融の知識は必要ありません。「何がどうなったら買うのか、売るのか」の細部が重要です。それはかなり言語化できます。

天才と同じように解こうとしてはなりません。我々には我々なりのやり方があります。天才でなくても試験に合格することはできます。

私は中1のとき数学でつまずきました。自分なりに工夫しても成果が出なかったのは辛かったです。数学の先生が夏休みに1対1で特訓をしてくださり、何をどれだけやれば解けるのかが分かった気がしました。私が中学生、高校生だったとき日常的にそのような授業が受けられたら良かったのにと思いこの塾を始めました。

「いくつかの塾、予備校に通わせたが成績を上げられたのは餅田理数塾だけだった」という声を頂いたこともあります。

指導内容

  1. 餅田も問題を解きます。
  2. 宿題は1文字に至るまで細かく見ます。
  3. できるようになるまで繰り返し宿題にします。
  4. 「ミスに気を付けなさい」「量をこなしなさい」ではなく何をどうするのか教えます。

1. 餅田も問題を解きます。

複数の生徒に共通で使う問題集だけでなく一人一人の学校の演習問題や志望校の過去問も解きます。私が解いたものは授業で見せたりスキャンして送ったりします。これは問題集の模範解答や他塾の授業などの清書されたものでは「実際、何をどうするのか」が伝わらないからです。私が解いたものを見れば何をどれだけの精度で作業すれば見えてくるのかが分かると思います。

模範解答などは答が分かった状態で推敲して作られているので必ずしもあのように最短、一直線に解けません。問題のことを知らないで解くと実際どうなるのか。図をどう描けば使える図になるのか。どう計算するのか。試行錯誤の跡や回り道は直さずにそのままにしてあります。

(例えば株価の過去の推移を見て「ここで買ってここで売れば儲かった」と言うのは簡単です。しかし実際に売買するとしたらそんなに上手くできるでしょうか。)

最短で解こうとして何もできないより、遠回りでも解き切る方が上です。

解答例
解答例

計算の続きには独自の工夫があります。この問題集の模範解答には

  • 問題を理解するための過程がありません。
  • 表がありません。

冗長性(余裕や無駄)は必ずしも悪いことではありません。例えばQRコードはデータの本体にエラー訂正用のデータを加えることで少し汚れたりしても読めます。適切な冗長性を持たせてあるシステムは他にも数多くあります。

入試は発明ができるかどうかの試験ではありません。合格に必要な問題は問題の通りにやれば解けるようになっています。

2. 宿題は1文字に至るまで細かく見ます。

当塾では授業の準備に時には10時間かけます。他塾も宿題の添削はしますがその程度では粗いのです。見るべき所は何十箇所もあるのでさっと見たところで何が分かるでしょうか。

宿題を見ていてよくあるのは

  • 自分自身でミスを誘っている。
  • 計算などにおいて良くない癖がある。
  • 「簡単に解きたい」という欲求が邪魔をしている。
  • 文章を正しく読めていない。

生徒が分からないと言うことを教えるだけではダメです。このようなことは教える側が時間をかけて見つけなければなりません。

生徒が試みた方法を続ければ解けるかどうか私が解いて確かめることもあります。

3. できるようになるまで繰り返し宿題にします。

私が求めることが全てできるまで繰り返し宿題にします。他塾では直すべきことがあっても問題にしないのでいくら解いても良くなりません。精度が必要なところはやはり精度良くできるまで時間をかけて繰り返し練習する必要があります。

何をどう直すのかは指示しますが、それでも何回かやり直しになることはあります。それは私と生徒でどこまでやるかの基準が違うからです。やり直しは悪いことではありません。そうやって生徒が思う基準を高めています。

何かと時短、省力と言われますがそれが小中高生の学習に悪影響を及ぼしています。学習に時短、省力を持ち込むと多くの生徒には手抜きと狂いが積み重なります。

4. 「ミスに気を付けなさい」「量をこなしなさい」ではなく何をどうするのか教えます。

勘、閃き、センスといわれるものの中には「何をどうする」の形で表せるものが数多くあると思っています。

学校や他塾では「ミスに気を付けなさい」「量をこなしなさい」と言われることが多いでしょう。

「気を付けなさい」とは何にどう気を付けるのでしょうか。量をこなしても「何を練習するのか」「何をどう直すのか」がなければ良くなりません。

天才ではない我々は何をどうするのかを一人一人のペースで一つずつ学ぶ必要があります。

解き方を覚えるだけでは解けない理由

  1. 上手く解こうとするから
  2. 計算を嫌がるから
  3. 文字や図形、文章などが見えているようで見えていないから
  4. 本質が見えにくいから
  5. 模範解答を見るのが早いから
  6. 演習問題が易しすぎるか難しすぎるから
  7. スマホでは画面が小さすぎるから

時代や入試が変わっても中学生、高校生の性質はそれほど変わらないのではないでしょうか。(手間を省きたがる、安易な方に流されやすい。)

1. 上手く解こうとするから

問題集の模範解答や他塾の解説などのようには一直線に解けません。模範解答はそれが正解であることの最短の説明であり、問題を解くために考えたことの全てではないからです。模範解答は答が分かっている状態で推敲して作られた一方、我々は何も分かっていない状態で答えなければなりません。

合格に必要な問題は路線図を辿るようにして解けます。電車で出かけるときインターネット上の乗換案内サービスではなく路線図を見て手動で経路を決めてみてください。必ずしも最短、最速、最安でなくても経路が見つかります。乗換案内サービスで出てこない経路を見つけることもできるでしょう。

分かるから解けるのではなく色々やってみるから解けるのです。自力で解くには模範解答の2倍、3倍、もしかすると10倍考える必要があります。

色々試して解けなくても他の問題で役立つときがきます。皆さんが断念した解き方を続ければ実は解けることもあります。そうやって力を付けるのです。

2. 計算を嫌がるから

皆さんは計算を嫌がります。いい方向に進んでいるのに計算が大変そうだからといって止まってしまうことがよくあります。計算は優先順位と法則に従って一つずつやればできます。数値計算は小学生でもできますし、文字式の計算の多くは中学生ならできます。

正解を出すには最後は計算力です。自力で解くと模範解答のようには上手くできないので少し難しい計算に出会いますが計算すれば解けることが多いです。最短の解き方ばかりでは計算の負荷が軽すぎて計算力はつきません。

計算やミスを減らす工夫はあります。途中式はたくさん書けばいいのではありません。無駄を無理なく減らすのです。

問題によっては複数の方法で解きます。問題を色々な方向から見ることが大切です。計算の練習にもなります。

他には、図をある程度正確に描いたり紙面を無駄なく有効に使ったりすると解けます。

これらはどんな問題にも役立つ技術です。

3. 文字や図形、文章などが見えているようで見えていないから

これは正確さに関係します。きちんとやっているつもりでも経験的に我々の視覚はいい加減なものです。網膜に像が映ることと正しく理解、処理することは別です。工夫しなければ見落とし、見間違い、記憶ミス、判断ミスが多発します。得点は解き方がどうこうよりも正確さの限界で制限されてしまいます。

正確さのポイントは

  • XXXミス
  • XXミス
  • XXミス
  • XXXXXXXミス
  • 目の使い方

ミスといっても何種類かに分けられます。分けることで何にどう気を付けるのかが具体的になります。

日常生活レベルの正確さでは粗いのです。例えば100回の判断と計算を全て成功させると1問が解けるとして、1回の判断と計算の成功率を90%, 99%, … とすると1問を正しく解ける確率は

\begin{align*}
&0.9^{100} \fallingdotseq 0.003\% \\
&0.99^{100} \fallingdotseq 37\% \\
&0.999^{100} \fallingdotseq 90\% \\
&0.9999^{100} \fallingdotseq 99\%
\end{align*}

4. 本質が見えにくいから

1番目の「上手く解こうとするから」に関連しますが問題集の模範解答や他塾の解説などはその問題に最適化されている一方、本質が見えにくいことがあります。そのような解き方を真似ても本質から遠ざかってしまいます。ショートカット的な解き方はその問題だから使えるのであって、問題が難しくなると使えません。

本質を捉えればあらゆる問題を同じような手順で解けます。

床の上に積み上げられた荷物。荷物の重さの合計による考え方。
図1

例えば(慣性系において)水平な床の上に積み上げられた荷物。図1のように床にかかる力は荷物の重さの合計(m_1+m_2+m_3)gになることは直感的に分かるでしょう。答だけは正しいですが、この図では荷物に下向きの重力だけが作用しているので荷物は落下することになり、荷物が静止していることに矛盾します。

荷物の重さの合計という考え方では既に細部が破綻しています。この問題がエレベーターの中の場合やこの後に考える斜面台の上の場合は正しく解けません。

床の上に積み上げられた荷物。作用反作用の法則を含めた見方。
図2

本質は作用反作用の法則と力のつり合い(運動方程式)です。図2のように重力だけでなく荷物どうしが互いに及ぼす力x, yや荷物と床が互いに及ぼす力zもあります。力のつり合いを連立方程式で表します。

\begin{cases}
x-m_1 g=0\\
-x+y-m_2 g=0\\
-y+z-m_3 g=0
\end{cases}

これができれば力のつり合いに関するどんな問題も同様に解けます。易しい問題をきちんと解けば身に付きます。

床の上に置いた台の斜面に載せた物体。
図3

それでは図3のように(慣性系において)水平な床の上に置いた台の斜面に物体を載せて手を放したとき、床にかかる力yはどうなるでしょうか。床と台の間や斜面と物体の間に摩擦はないとします。作用反作用の法則と運動方程式に慣性力を加えると解けます。やることの一つ一つは図2のときと同様です。決まった手順を踏んで計算すれば解けます。解くべき連立方程式は

\begin{cases}
y - x\cos\theta - Mg = 0\\
MA = x\sin\theta\\
x + mA\sin\theta - mg\cos\theta = 0
\end{cases}

結果は

y=\frac{(M+m)g}{1+\frac{m}{M}\sin^2\theta}

台と物体の重さの合計より小さいことが分かります。

さらに、台や物体に生じる加速度を求めることもできます。

5. 模範解答を見るのが早いから

解けたと思って答え合わせをした。間違っていた。模範解答のように解き直したら正解になった。

これが良くありません。1つ目は模範解答に言われて間違いに気付いたことです。最終の答を見るとどこが間違っているのかも大抵分かってしまいます。本番では答え合わせをして直して提出できませんから間違いにくくなければなりませんし、間違いに自力で気付けなければなりません。

2つ目は模範解答を見て直したこと。何回も書きますが模範解答は答を知った状態で推敲され最適化されているので自力でできる解き方と似ているようでも異なります。よってその解き方を真似ても本番ではそのように解けません。

当塾では生徒に宿題の答え合わせをさせません。(生徒のレベルによります。)ミスがあることは教えますが(主に計算ミス)自力で見つけて直してもらいます。見つける方法は簡単ですが皆さんは面倒がるでしょう。しかし正しく解くことは本来そのくらい大変なことです。

6. 演習問題が易しすぎるか難しすぎるから

学校、他塾、通信教材の演習問題はコース名の割に易しすぎたり、凝った問題ばかりで難しすぎたりすることがあります。当塾では主に市販の問題集を使いますが上に書いた「合格に必要な問題」を多く収録し、良い練習ができるものがあります。

7. スマホでは画面が小さすぎるから

近年は生徒が自分のスマホで動画などを見ることが増えました。しかしあの小さい画面ではどうしても細部にまで目が届きません。操作のしやすさにも限界があります。自覚はなくても疲れるか手抜きが積み重なると思います。

宿題内容や授業内容の記録はPDFで送りますが、以前、生徒がそれをスマホで見たときにきちんと読まなかったことがありました。余程注意しない限りスマホの画面で細部まで読み取ることは不可能なように思います。

今後の展望

この塾で教えて分かったのは、カネというシステムの下ではきちんと教えると成立しないということです。そこで株式などの売買を開発して授業料を安くできないかと考えています。株式などで安定して収益を得ることはかなりの難題ですが、もしカネの制約がなくなればもっと現実的な授業料で手厚い授業ができますし、授業のやり方ももっと自由にできます。

この先は脱線です。50年後(これを書いたのは2025年10月)には変わっているかもしれないということで思うことを書きます。

カネというシステムはもうやめたらどうかと思います。カネがなくなっても問題は尽きないでしょうが問題の質は余程平和的ではないでしょうか。

カネを偏りなく流通させることは元々不可能です。カネが増え続けるところと減り続けるところができます。国家間も含みます。これは高校1年程度の数学で分かります。

または、横断歩道に旗が用意されているところがありますが横断歩道の両側にある旗の本数はいつも同じでしょうか。誰かが旗の本数を調整するために旗を移動させなければどちらかの側には旗がなく、旗を使いたくても使えないことが起きます。

この偏りを解消するには増え続けるところから減り続けるところにカネを移動する(利益をほとんど吸い取るほどに)か、減り続けるところにだけカネを注入することになりますがそういうことにはならないでしょう。一律にカネを注入しても増えるところにはますます貯まることになります。

仕事の価値を金額という1つの数で表すことに無理があります。位置や速度さえx,y,z成分の3つの数の組で表されます。ある尺度で見たときに価値相応の値段が付かない仕事が少なからずあります。本当に値段を付けると誰も払えないのかもしれません。例えば家事や子育てに報酬は出ないのでしょうか。

人のする仕事では必ずしも質量保存則やキルヒホッフの電圧則、電流則のような法則は成り立ちませんので仕事を金額で表して保存則が成り立つかのように扱うことにも無理があります。

株価や為替レートなどは必ずしもその中身で決まるのではありません。誰かが精密に計算して決めているのではありません。投資家やトレーダーが利益を求めて出す買い注文と売り注文によって決まります。

「目の前」にいる相手と「等量」を「同時」に「交換」するという4つを満たす必要はあるでしょうか。誰かに何かをあげても、必ずしもその人から、等量を、その時にもらう必要はないのではないでしょうか。自分に必要な物は別の人から、別の機会にもらってもいいわけです。

誰かにたくさんあげたからといって、それに相当するまでたくさんもらう必要はありません。たくさんしてもらったからといって、それに相当するまで返す必要はありませんし、別の人に返してもいいのです。(実際には等しいか、多いか、少ないかは判別できません。)

そうでなければ助け合いの範囲がとても限られます。ただし「各自やるべきことをやる」「必要を超えて求めない」ことは条件です。これができるのが人間だと思います。

その点、植物の地下の世界はよくできています。必ずしも目の前にいる相手と、等量を、同時に交換していません。高い木に日光を遮られた低い木はなぜ育つのでしょうか。